セルロイドハウス横濱館開館式での館長 岩井 薫生氏挨拶全文紹介



館長からのご挨拶

 本日はようこそセルロイドメモワールハウス横濱館にご足労いただきましてまことにありがとうございます。ここに皆様のご来館を心から歓迎いたします。

 この横濱館は様々なセルロイド製品、収集品、工具(道具)や金型、セルロイド加工のための器械や補助器具等もあわせてご紹介し、展示する施設として2005年3月25日に開館しました。

 これらの陳列、展示品は学術的にも産業史の観点からも非常に貴重な産業文化資産ですが、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドと呼ばれる、急速な成長と拡大により、過去数十年の間に殆ど忘れられてきました。

 皆様もご存知の通りセルロイドは、アメリカのジョン・ウィスレイ・ハイヤットの手による偉大な発明品で、その歴史は既に140年に達しようとしています。また英国人のパークス、スピルなどの人々はハイヤットにはなれなかったのですが、存在の偉大さは決して引けを取るものではありません。

 私達関係者は、セルロイドが現代のプラスチックス産業の原点であり、今日の社会や文化に広範囲な影響を与え、広く産業全般に大きく貢献した事実とその歴史的意義を理解し、高く評価しています。そしてこの貴重な文化遺産が散逸することを恐れ、収集展示を行う施設の必要性を感じるようになりました。

 横濱館をご見学いただき、セルロイドの重要性を皆様方に再認識していただくとともに、先駆者から受け継いだ材料開発の一連の流れと、セルロイドを嚆矢として、プラスチック産業を発展させるために、わが国をはじめとして先進諸国で強い熱意を持ち続けた意欲的な人々の、計り知れない努力と時間、この目的のために費やした巨額な投資を深く考え、先駆けとなったセルロイド産業の意義とその貴重な産業文化遺産及び関与した方々の真摯な努力と成果に改めて感謝したいと思います。

 セルロイドハウス横濱館の開館のためにいただきました皆様方からのご支援とご協力に改めてお礼申し上げます。

平成17年3月25日(金曜日)
於セルロイドハウス横濱館
                  

セルロイドハウス横濱館
                    館長 岩井 薫生(イサオ)




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