セルロイドサロン |
第136回 |
松尾 和彦 |
記録を伝えてきたセルロイド |
先日一つの時代が終わったことを御存知でしょうか。経済面や文化面に小さく載った記事ですので見落とされた方もいるかもしれませんが、山田洋次監督は「これで本物は作れなくなった」と嘆き、北野武監督は「文化に対する殺戮行為だ」と怒りました。また菅原文太は「もう出番はなくなった」と俳優業を引退することを表明しました。日本での映画フィルムの製造が終了したのです。サロンの60でも伝えましたように音声・映像などの記録媒体としてセルロイドは重要な役割を果たしてきました。 音声・映像などはその時その時のもので記録をしておかないと一瞬にして失われます。これを何とかして遺し後世に伝えようとの努力は驚くほど昔から行われていて十世紀頃にエジプトのイブン・アル・ハイサムがカメラ・オブスクラの研究をしていたと伝えられています。またレオナルド・ダ・ヴィンチも行っていて有名なトリノ聖骸布は、日光写真ではないのかとの説もあります。1685年にはヨハン・ツァーンが図解を遺しました。
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著者の松尾 和彦氏は歴史作家で近世、現代史を専門とし岡山市に在住する。 |
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