|  ・松戸市立博物館
 
 千葉県松戸市は東京に近いうえに温暖な気候、都会でありながら農業も盛んで新鮮な野菜果物が手に入る、それでいて土地代も家賃も安いなど生活がやりやすい場所として、東京のベッドタウンとなっています。
 住みやすさは今に始まったことではなく三万年位前の旧石器時代の遺跡が発掘されています。また縄文時代の遺跡や古墳も多数存在し、二十世紀ナシ発祥の地としても知られています。
 
 この松戸市にあります松戸市立博物館で現在「高度経済成長とプラスチック」展(10月11日〜11日30日)が開催されていますので、先日セルロイド産業文化研究会のメンバー約十名が見学してきました。
 プラスチックは最近でこそ燃やした時に有毒ガスが発生する、分解しにくいので何時までも残るなどと言われていますが、それでは今の暮らしからプラスチックを総て取り除いたらどうなるでしょう。戦前を通り越して明治時代くらいの生活に逆戻りしてしまうことでしょう。試しに目の周りにあるものをご覧になってください。今の電気製品はプラスチックがないと存在しません。家電商品の外枠を木材や金属で作ることが出来るでしょうか。台所、風呂などにおいてあるものからプラスチックを総て取り除くことが出来るでしょうか。博物館での展示にもありましたがストッキング、バケツ、ごみ箱などがプラスチックに換わったことによって生活レベルは大きく向上しました。
 今回の展示にはもちろんセルロイドについてもふれています。それもかなりのスペースをとって玩具やグリコのおまけなどを展示するとともにセルロイド産業との関わりなどについて説明しています。
 会期は前述の通り今月一杯ですので是非足を運ぶようにしてください。
 
 ・葛飾区郷土と天文の博物館
 
 その松戸市に隣接している東京都葛飾区はかつてセルロイド玩具製造の拠点でした。葛飾の人は「南葛魂」という言葉があるように団結力が強く、妥協をしないで、権力者に媚びず、相手がどれほど強くても筋を通します。このような性格が物造りに適していたために職人が生まれたのです。
 
 その葛飾区にあります郷土と天文の博物館の博物館は名前の通り、かつて農業地帯であった葛飾が如何にして変貌していったか、祭りを楽しんだ様子、どのような生活を行っていたかなどの郷土に関する展示とプラネタリウムに代表される天文に関する展示があります。特に昭和三十年代の民家と工場とを再現したコーナーは必見です。
 もちろん葛飾ですからセルロイドに関する展示も欠かしていません。
 
 また博物館へと向かう道は葛飾が農業地帯であった時の水路でした。公園や道に水路であったことを示す展示が見られますのでこちらも楽しむことが出来ます。
 
 ・渋江公園
 
 その水路であった道を真っ直ぐに西南方向へ進み平和橋通りを南東に進み京成線を越えると渋江公園は目の前です。この公園は千草稔の「中央セルロイド工業株式会社」の跡地であるのは、あまりにも有名です。広い公園の一角には「葛飾区セルロイド工業発祥の地」の記念碑が建てられて往時を偲ばせています。
 ここで働いた人たちがそれぞれの技術を活かして葛飾のセルロイド工業が発展し戦後のプラスチック工業へと繋がっているわけです。
 
 それぞれの場所への利用案内は以下の通りです。
 
 ・松戸市立博物館
 
 〒270-2252 千葉県松戸市千駄堀671
 開館時間:9時30分〜17時
 休館日:毎週月曜(この他にもありますので一度確かめてください)
 観覧料:一般300円 大高生150円 小・中学生無料
 交通:JR武蔵野線八柱駅、新京成線八柱駅下車徒歩15分
 TEL:047-384-8181
 http://www.city.matsudo.chiba.jp/m muse/
 
 ・葛飾区郷土と天文の博物館
 
 〒125-0063 東京都葛飾区白鳥3-25-1
 開館時間:9時〜17時
 休館日:月曜日、第2,4火曜日、年末年始
 入館料:大人100円 小・中学生50円 幼児無料
 プラネタリウム観覧料:大人350円 小・中学生100円 幼児50円
 交通:京成線お花茶屋駅下車徒歩8分
 TEL:03-3838-1101
 http://www.museum.city.katsushika.lg.jp/
 
 ・渋江公園
 
 入園自由
 京成線立石駅下車徒歩10分
 |